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最近読んだ本
2025年08月6日
最近読んだ本で印象に残っている2作品について。
■ペスト(アルベール・カミュ)
カミュの「異邦人」が面白かったので、こちらの作品も読んでみました。
タイトルからお察しできるかと思いますが、ペスト流行のお話です。
長編小説の上、外国翻訳の独特な抽象表現が苦手な為、
所々若干の読み難い部分もありましたが、
記憶に新しいコロナウイルス流行時を彷彿とさせるような描写が多かったのもあり、
物語に入り込みながら読むことができました。
なかなか上手く物事が進まず、ハッピーエンドで終わらない実存主義独特の読後感は癖になります。
自然主義文学とは趣旨が全く異なりますが、何か通ずるものがありそうな気がしました。
■ひかりごけ(武田泰淳)
武田泰淳の短編集を読みました。
武田泰淳は一次大戦後派の作家です。
短編集には3篇の小説が収録されておりましたが、
その中でも「ひかりごけ」という作品がとても印象に残っています。
こちらの「ひかりごけ」、実際に日本で起こった
食人事件をモチーフに描かれている作品です。
食人事件がモチーフという事で
かなり身構えて読み始めたのですが、
その他の氏の短編作品と比べて
文調が比較的穏やかな上に
途中から戯曲調となり、大変読み易かったです。
内容についてもグロ要素はほとんど無く(皆無ではないですが)、
むしろ少しだけ切ない印象を受けました。
「食人事件」というキーワードのみで
とんでもないサイコパス野郎を想像した
自分の浅薄さを痛感しました。
T.K
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