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ライ麦畑でつかまえて
2021年09月21日
ジャンルは偏りつつも、今まで様々な小説を読んできましたが、その中でも「ライ麦畑でつかまえて」(J・Dサリンジャー)は好きな作品の1つです。
間もなく冬休みが始まる12月のある日、主人公ホールデン・コールフィールドは成績不良により学校から退学処分を受けます。そして学校生活への不満や思春期特有の大人への反感・鬱憤により突発的に学校の寮を抜け出し、冬休みまでの数日間、ニューヨークの街を放浪とする物語です。
初めてこの作品を読んだのは高校1年の頃、今思えば主人公のホールデンと丁度同じ年でした。
子供でも大人でもないふわふわとした多感な時期ということも有り、ホールデンが作中に頻繁に発する学校生活や大人、社会に対する数々の悪態に共感を覚えました。物語を読み進めながらもホールデンの挙動や悪態を発する姿に自分の姿も重ね合わせることで日々の鬱憤を発散していたような気がします。
「史上最高の厨二病小説」と称されているこの作品を三十路過ぎても未だなお愛読書として挙げるのは少し小っ恥ずかしい気持ちもありますが(子供の頃に読んで共感したけど、大人になってからは読むに耐えられないという感想もあるそうです)、やはり今でも読み返すと主人公ホールデン・コールフィールドにはどこか懐かしさと共感を覚えてしまいます。
T.K
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