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富田木歩
  2021年05月21日

「小説・富田木歩」(上田都史)を読みました。
小説なので恐らく多少の脚色はあったのかもしれませんが、俳人・富田木歩の人生は壮絶なものでした。


富田木歩は明治時代に産まれました。
幼少期に患った高熱により両足が麻痺し、それが原因で両足が不自由になってしまいます。


そういった事情の為、小学校に入学することはできず、近所の女の子が持ってきてくれるかるたやメンコで平仮名や漢字の勉強をしたそうです。
そんな木歩ですが、友人が譲ってくれた正岡子規の俳句の本で俳句と出会い、その後句作に没頭します。


身体が不自由な他、生まれ育った家庭の貧困、弟(木歩の弟も耳と口が不自由な方だったそうです)が患った肺病の罹患、また父母・妹・弟・愛弟子・友人達の死が木歩を襲います。
そして26歳の時、関東大震災の犠牲になってしまい、短い生涯に幕を閉じます。
このように文章で書いてみただけでも、日々平凡にのうのうと生活している私の想像を絶します。


こちらの作品を読んでみて様々な想いが巡りましたが、一番は木歩はとても強い人だったんだなということ。


身体が不自由なことを「ウナギのたたりだよ」と自嘲したり(木歩の父母はウナギ屋を営んでいた)、勤務先が決まっても結局身体が不自由なことが原因でいじめられたり、クビになってしまったり、家族や家族以外からの白い目にもじっと耐え、ひたすら句作に打ち込んだり。
自らの運命を全て受け止め、ひたすら耐える、そんな木歩の姿に無二の強さを感じました。


読み終わってすぐに句集を買ってみました。
俳句と聞くと「侘び寂び」「季語」とか堅苦しいイメージがあり、「思ったことは好きなように自由に表現すればいいだろう」と思っている私は正直あまり好きではありませんでした。
(与謝蕪村は江戸時代の人らしからぬ浪漫的な句があって好きです)


ところが木歩は「俳句界の石川啄木」と呼ばれているだけあり、日常生活に非常に近い視点で日々の心情や儚さを親しみやすい形で詠っています。わかりやすく心を強く打つ句が非常に多いです。
気に入った句は沢山ありましたが、特に印象に残っている句を一つ。


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夢に見れば 死もなつかしや 冬木風


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父母や弟、妹、愛弟子や友人達を天国へ見送ったことを夢で思い出したのでしょうか。
その死さえも懐かしんで詠ってしまう木歩はやはり強い。
この句を読んだ時、心底からの畏敬の念と木歩のような受容の強さは私にはあるのかという自問が私の頭を巡りました。

 

T.K

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